コンテンツマーケティング

日本のB2B企業によるコンテンツマーケティングの成功事例

  • 最終更新日:2017/02/17

B2Bのコンテンツマーケティング

「コンテンツマーケティング」という言葉をWebマーケティング業界で頻繁に見かけるようになってからすでに数年が経過しますが、この間にコンテンツマーケティングに取り組まれた企業数は増加の一途をたどっています。約7割はB2B向けで行われています。B2B取引において、Web上で情報を収集している企業担当者が多いことがその背景にあります。一般ユーザーや企業担当者という切り口によらず、人が意思決定を行う際にWeb上の情報を利用しているというのは感覚的には分かる話かと思います。

ただし、コンテンツマーケティングが大事だからと言っても、ただ取り組めば成果が出るというのもでもありません。それを成功させるためには明確な目的、正しい戦略、実行結果の検証を地道に行っていく必要があります。コンテンツマーケティングが簡単に成功しないからこそ逆に、取り組みに成功している企業は非常に大きな成果を上げることができます。本稿では株式会社LIGさんとナイル株式会社さん(旧ヴォラーレ株式会社)の2社をその成功事例として取り上げています。

コンテンツマーケティングについての詳細は「今更聞けないコンテンツマーケティングの基本」をご覧ください。

B2B企業がコンテンツマーケティングに取り組む背景

企業が取り組むコンテンツマーケティングのターゲットは7割がB2B向け

Google トレンド上の「コンテンツマーケティング」検索結果

(出典:Google トレンド上の「コンテンツマーケティング」検索結果)

上図をご覧いただければ分かる通り、コンテンツマーケティングは約4年近く前から注目され始めているので、それほど新しい概念ではありません。今ではWeb業界関連のニュースを見ていると、頻繁にコンテンツマーケティングという言葉が出てきます。コンテンツマーケティングを実施している企業も年々増えており、株式会社エコンテさんが600名のコンテンツマーケティング担当者に実施された調査によると約7割はB2B向けで行われているようです。

 

B2B向けのコンテンツマーケティングが重要な理由

下記の2つの調査結果が端的にB2B向けにおいて、コンテンツマーケティングが重要だと思われる理由を説明していると言えます。

  • B2B取引において、92%の企業は製品/サービスの購入前にネットリサーチを行う。
    (出典:Retailingtoday, E-consultancy, Acquity Group, CEB, ガートナー)
  • B2B取引の情報源は、営業担当者30%に対して、企業Webサイトは50%である。
    (出典:TRIBECK, Sirius Decisions, Marketo)

企業の購買担当の方、経営管理部門や企画部門にてリサーチ業務に携われた方であれば納得できる数字ではないでしょうか。何かしらのツールの導入やシステムを導入する際には、必ず事前にWeb上にてサービス提供企業をリストアップし、それらをもとに一定の項目で比較表を作ると思います。その比較表をもとに、それぞれの担当者に来社と説明をお願いし、上席と検討するというフローが一般的な製品/サービスの導入手順ではないでしょうか。

つまり、担当者が事前調査をするというアクションを行う際に、その担当者が目に触れるコンテンツが彼らの興味を引いたり、ニーズに合致するコンテンツであればある程、取引していただける可能性が増すわけです。

コンテンツマーケティングを行う理由

上記の背景を裏付けるように、株式会社エコンテさんが行われた「コンテンツマーケティングを実施している理由」の調査結果を見ると、「ブランド認知」、「顧客獲得」、「顧客育成」が上位になっています。

コンテンツマーケティングに成功すれば、優秀な営業マンを雇用したのと同じ価値をもたらします。潜在顧客・顕在顧客に対して、24時間年中無休で自社の製品・サービスをプレゼンしてくれるからです。当然ながらコンテンツマーケティング自体は簡単に実施できるものではなく、導入するには相応の知識や組織体制が必要です。そちらについては「効果的なコンテンツSEOに欠かせない内部施策と外部施策の手順」を参照して下さい。

はじめてコンテンツマーケティングを取り組む企業であれば、何もかもを自社で対応するというのは現実的ではないので、「コンテンツSEOを外部コンサルタントに依頼する時の注意点」を参考にしながら、上手く自社で対応する範囲と、外部に依頼する範囲を切り分けていただければと思います。

BtoB企業によるコンテンツマーケティング事例

では、上述の「コンテンツマーケティングを行う理由」で上位にランクインしていた、「ブランド認知」と「顧客獲得」について、それぞれコンテンツマーケティングを成功されている企業の事例をご紹介します。

認知度向上で成功している「LIGブログ」

認知度向上で成功している「LIGブログ」

Webマーケティング業界に身を置いていると、何かと話題に上がってくる株式会社LIGさんのブログです。LIGさんのブログ上での告知によると、2015年1月に約410万PVを達成されたようです。LIGさんはWebサイトの制作を生業とする企業でしたが、自社で運営するブログが非常にユニークなコンテンツであったために一気にその知名度を高められました。今ではLIGさんにユニークなコンテンツを作ってほしいというお問い合わせも定期的に入るそうです。

こちらのLIGブログが有名になったきっかけは、2012年9月に公開された「伝説のウェブデザイナーを探して・・・」という記事で、1日14万ものPV数を獲得したとのことです。

ただ、全ての記事を上記のような面白い記事にしているわけではなく、8割はWeb制作会社らしい真面目な記事でコンテンツ全体を設計されています。

「技術系のネタだけ書いても読まれるボリュームゾーンが限られているので、笑いをスパイスにして盛り上げていければなと。あくまで、真面目な会社がたまに変なことをやるから面白いというトーンを守っていきたいです。」(CEO 岩上貴洋氏)

顧客獲得で成功している「SEO HACKS」

顧客獲得で成功している「SEO HACKS」

SEO HACKSはナイル株式会社さん(旧ヴォラーレ株式会社)が運営されているSEOについてのブログです。SEOに強いナイルさんが丁寧にコンテンツを更新されているだけあって、個々のコンテンツはとても読み応えがあります。

Webマーケティングの各種分野の中でも、とりわけSEOは自社でノウハウがたまりにくい分野でもあります。また、Googleのアルゴリズムの変更や方針の変更も頻繁に行われ、何が正しくて、何がそうではないのかを把握するのも非常に大変な作業です。そういう意味で、SEO分野についての知見を余すことなく解説してくれているナイルさんのブログにはファンも多く、私も必ず更新記事をRSSに登録して確認するようにしています。

SEOについてのクオリティの高い記事を書くことで、それを読む企業担当者が「SEOで困ったらナイルさんに相談してみよう」という気になりますし、実際毎月数十件の新規問い合わせがあるようです。(ナイル取締役 土居健太郎)

成功している事例のコンテンツマーケティングに共通の特徴

上記に限らず、成功している企業のコンテンツマーケティングの事例を見ていくと、ある程度共通している要素が見えてきます。

明確な目的を持っている

「誰」に向けて、「どんな」コンテンツを提供していくのか。この目的部分が置き去りにされているコンテンツマーケティングは成功が難しいと言えます。「走りながら考える」方針の企業担当の方もいらっしゃるかと思いますが、コンテンツマーケティングにおいてはコンテンツ自体が無駄になってしまう可能性が高く、また一貫したコンテンツ方針のもとで運営されないメディアには固定ファンが付きません。

よって、まずは明確な目的意識のもとにコンテンツマーケティングを行うべきですが、その際に役立つツールがカスタマージャーニーマップと呼ばれるツールです。カスタマージャーニーマップとは、顧客が購買にいたるまでの流れを旅(ジャーニー)にたとえて図にしたものです。マーケティングで使われる手法の一つで、いわゆるフレームワークにあたります。詳しくは、「カスタマージャーニーマップとは?特徴やメリット、事例の紹介」をご覧下さい。

正しく戦略を描けている

目的が明確になったら、次にその目的を実現させるのに最適な戦略の選択です。ここで言う戦略とは、キーワード戦略と考えていただければと思います。コンテンツマーケティングの本質はキーワードの選定と言っても言いすぎではないでしょう。サイト全体に大テーマを設定して、そのサイトを構成する個々のコンテンツをキーワード単位で考えるのです。「1ページ1キーワード」と言われるのも、その本質を表現した言葉だと言えます。

よって、「キャッチーなタイトル案」や「バズりそうなタイトル案」といった細部から考えるのではなく、まずはサイト全体から俯瞰したコンテンツの構成を作り、ユーザーに届けるというところから考える作業が重要です。ユーザーが抱えるどういった悩みをどう解決して、その結果ユーザーにどういった行動を取ってもらいたいのかをキーワード単位で突き詰めて考えましょう。詳しくは、「失敗しないコンテンツプランニング方法を徹底解説」をご覧下さい。

実行結果を検証している

メディア運営を専門にやられている企業であれば別ですが、大概の企業(特に企業規模が小さい場合)においてはメディア運営については兼業でやられている担当者も少なくありません。そういった企業では、コンテンツを作って終わり、公開して終わりという企業の方が多いのではないでしょうか。公開後にGoogle Analyticsを使って分析し、効果を定期的に検証するという作業は非常に時間が取られる仕事だからです。

ただし、コンテンツマーケティングの成否を分けているのは、この検証と評価をどれだけ具体的に行っているかです。これを行わないと、取り組むべき改善点も明確にならないので、必ず実施してほしいところです。詳しくは、「今日から使える17つのコンテンツマーケティング評価指標」をご覧下さい。

まとめ

以上のようにBtoB企業によるコンテンツマーケティングの実施は非常に増えてきていますが、それを成功させるためには明確な目的、正しい戦略、実行結果の検証を地道に行っていく必要があります。それらを怠らなければ、上記でご紹介したようなLIGさんやナイルさんのようにコンテンツマーケティングで成功を収めることも難しくありません。すでに自社でコンテンツマーケティングを実施されているようであれば、改めて自社の運営方針や組織体制を見直してみては如何でしょうか。

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