コンテンツマーケティング

コンテンツショックとその反論から考えるコンテンツマーケティングの本質

  • 最終更新日:2017/02/17

コンテンツショックとその反論から考えるコンテンツマーケティングの本質

コンテンツショックという言葉をアメリカの { grow }というメディアが取り上げ、コンテンツマーケティング市場に大きな衝撃を与えてから2年以上が経ちます。改めてその意味と真偽を考えてみると、いまコンテンツマーケティングで何を考えて、どのような取り組みに専念すべきかが見えてきます。

私たちはコンテンツマーケティングは今でも有効なWeb戦略だと考えています。そこで今回はコンテンツショックについての詳細と、私たちが有効と考える理由を紹介していきます。

コンテンツマーケティングとコンテンツショック

コンテンツマーケティングとコンテンツショック

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供し続けることにより、Googleから評価を得て、それにより高い検索順位を維持する。またはコンテンツによってニーズの顕在化していない潜在顧客を顧客へと育成するリードナーチャリングを目的に行うマーケティング戦略のことを指します。前者の意味合いで行うコンテンツマーケティングはコンテンツSEOとも呼ばれ、20年近く前であれば、より多くの被リンクを獲得しているサイトが上位に表示されていました。現在は幾度かのGoogleの検索アルゴリズムのアップデートを経て、ユーザー重視の本質的な形にランキングが洗練されています。

コンテンツSEOの施策については「効果的なコンテンツSEOに欠かせない内部施策と外部施策の手順」をご覧ください。特に、第1章の「コンテンツSEOとは」にGoogleが行ってきたアルゴリズムの変遷にその歴史が詳しく記載されています。

リードナーチャリングについては「リードナーチャリングとは?基本からシナリオ作成のポイントまで」をご覧ください。

コンテンツショックとは

アメリカにて2014年頃に公開された「Content Shock: Why content marketing is not a sustainable strategy」がきっかけで、その後この概念が度々話題に上がるようになりました。端的に言うならば、コンテンツの需要と供給のバランスが崩れて、競争のバランスが一方的に偏る状態のことを指します。

コンテンツ量が人の情報処理能力を超える

The emerging marketing epoch defined when exponentially increasing volumes of content intersect our limited human capacity to consume it.

”Content Shock”とは「コンテンツ量が急激に増加し人々の消費できる量を超えることでマーケティングが困難になる」そしてそれを克服しないといけないということ。

The content model falls apartより

コンテンツマーケターが増えても、人の情報処理能力は変わらない

多くの企業がコンテンツマーケティングを実践することで、供給され続けたwebコンテンツをユーザーが消費しきれなるとの議論でした。コンテンツマーケティング全盛のアメリカにおいて、影響力のあるマーケターMark Schaeferが発信したメッセージだったこともあり、非常に話題になりました。

コンテンツショックのロジック

コンテンツショックのロジック

まずは話題の元となった記事「Content Shock: Why content marketing is not a sustainable strategy」で紹介されている、「コンテンツショックによって変わる今後のコンテンツマーケティング予想」を翻訳付きで一部掲載します。

資金豊富なコンテンツ制作者が勝つ

eventual winners are the content creators with the deepest pockets.

最終的に勝利を手にするのは、資金豊富なコンテンツ制作者である。

The idea that “great content rises to the top” is over. We are in an era where advertising, promotion, and distribution strategies may eclipse the importance of the content itself.

「素晴らしいコンテンツがトップに君臨する」時代は終わりを告げた。現在、広告、宣伝、そして、配信戦略がコンテンツそれ自体よりも重要になっている。

(1)Deep pockets winより

というのが1つ目のロジックです。小さな企業が片手間でコンテンツを創ってもユーザーを満足させることは難しくなるという話になります。仮にコンテンツマーケティングを行う中小企業全てが、戦略を欠いた形でコンテンツマーケティングを実施していれば当てはまるロジックかもしれません。

参入障壁が極端に高くなる

The companies that can overwhelm the market with content can effectively raise the entry hurdles for competitors and maybe even block them out of key search results entirely.

コンテンツでマーケットを支配することができる企業は、競合への参入障壁を上げ、主要な検索結果から競合を排除することができるだろう。

(2) The entry barriers become impossibly highより

というのが2つ目のロジックです。1つ目のロジックと密接につながっており、資金を持つコンテンツ制作者が良質なクオリティのコンテンツを創ることができる。そのコンテンツは更に資金を投じて多くのユーザーに告知しないと見てもらえない。結局は、資金豊富なコンテンツ制作者が勝ち残り、資金が無いとコンテンツマーケティングに参入できないという話です。

費用対効果が逆転する

Finally, the economics created by Content Shock will eventually force many content marketers to adjust their priorities and tactics.

最後に、コンテンツショックによって生まれた経済システムにより、ゆくゆくは多くのコンテンツマーケターは優先度と戦略の調整を強いられるようになる。

(3) The cost-benefits flipより

1つのコンテンツを生み出すのに何時間も書けてライティング、校閲、編集、そしてWEBサイトへの掲載を行う必要がある(1つ目のロジック)。更に、掲載後もSEO対策や広告対策で資金が必要になる(2つ目のロジック)よって、その投資を回収するだけの見込みが立たない企業の方が多くなるというのが最後のロジックです。それでもユーザーにコンテンツを見てもらうには、資金を投資し続けるしかありません。

コンテンツショックへの私たちの反論

コンテンツショックへの反論

海外ではコンテンツショックに対する議論が熱く反論も多いのですが、ここで私たちなりの見解もご紹介していきます。

テーマを絞ることで大手にも勝てる

資金が無い企業には資金が無いなりの戦い方があります。それは戦うマーケットを選んでコンテンツを創っていくことです。資金が豊富な大手企業とは真っ向勝負を仕掛けないことです。資金を大量に投下している大企業は、小さなマーケットには入ってこないためです。そのようにマーケットを戦略的に選んでコンテンツマーケティングを行っていけば、十分にユーザーに見てもらうことは可能です。

大手にできない戦い方がある

例えば個人(書き手)を出した戦い方など、システマチックに大人数でコンテンツマーケティングを行う大手にはできない戦略もあります。多くの情報が市場に溢れると、人は何を信じればいいのか分かりません。そこで生まれる、誰が言っていることを信用するかという「個人」に対する信用・信頼ニーズを集めていくことは、今後のコンテンツマーケティングにおける中小企業の戦い方の一つとなるでしょう。

良質なコンテンツに必要な資金はマーケット規模に依存する

ここでいうマーケット規模とは検索ボリュームのことだと理解して下さい。例えばですが、「引っ越し」などのようなビッグキーワード内で戦いを挑もうとすれば、それに応じた資金量が必要です。ただし、スモールやミドルのキーワードで戦うことを選べば、コンテンツショックで論じられているような豊富な資金は必要としません。もちろん全くのゼロというわけにはいきませんが、少なくともコンテンツショックで論じられているような、大手企業レベルの資金力が無いと戦えないということにはなりません。

コンテンツは手段、収益化はコンテンツの先にある

コンテンツは手段であり、そのコンテンツを構成するWebサイトやWebメディアがあります。そのサイトやメディアを軸として、どのようにユーザーとコミュニケーションを図りながら対価を得ていくかは実に様々な戦略があります。例えばですが、コンテンツ部分はある程度赤字であったとしても、そのコンテンツから流入したユーザーを自社サービスに誘導して黒字にする戦略もあります。つまり、コンテンツそれだけで収益化を図る必要はないということです。

コンテンツショックを見据えたコンテンツマーケティング実施の注意点

コンテンツマーケティングの注意点

良質なコンテンツ記事が全ての基本

全ての基本はコンテンツそれ自体であるということには変わりません。どんなにコンテンツショックが叫ばれていようとも、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを、テーマを絞って提供していけば必ずユーザーのもとにコンテンツは届きます。大手企業と真っ向勝負しないマーケットにおいて、「本当の見込み層に読まれるライティング方法とは」や「WEBライティングのプロが抑えているライティングテクニック」などの記事を参考にしながら、社内外のライターと協力してコンテンツライティングを進めていきましょう。その上で、テクニカルな対策として次の「内部施策」と「外部施策」をしっかり抑えて下さい。

内部施策の徹底

HTMLタグの最適化、内部リンクの最適化、クローラー対策など、基本的なSEO対策を疎かにしてしまうと、Googleから適切な評価を得ることはできません。コンテンツマーケティングを行う上で、資金的に余裕があるなら外部業者に内部施策をお願いしても良いと思います。ただし、そこまで余裕がないのであれば、Search Consoleの使い方を理解するだけでもサイト改善に大きく役立ちます。Search Console上ではHTML上の改善案やクロール申請など、内部施策を行うで非常に参考になる情報が手に入ります。ツールの使い方はそれほど複雑ではないので、理解という意味では市販の本を1〜2冊読めば大体のことは理解できます。あとは実務の中でいじっていれば短期間で使いこなせるようになるでしょう。

外部施策の徹底

被リンクを購入したり、あるいは被リンクを自社で作って自作自演で貼っていくことはGoogleのガイドライン違反になります。よって、被リンクを手に入れるためには、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供し続け、それをソーシャルメディアなどで適切に広めていくことをお進めします。また、Ahrefs等の被リンク分析ツールを使うと、より詳細に自社及び他社の被リンクの状況を把握することができます。個別のページも分析することができるので、自社でコンテンツマーケティングを本格的に導入するのであれば、是非利用をおすすめするツールの1つです。

おわりに

コンテンツショックという言葉がショッキングな内容であったため、多くのマーケターがこの言葉に振り回されましたが、本質を見失わずに自分たちができることを戦略的に実行していけば、上述の通りコンテンツマーケティングで成功することはできます。基本を徹底してコンテンツを創っていきましょう。

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